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例会報告

2024.03.23

例会報告

松の木尾根~香楠荘尾根

開催回

第2046回A(金剛山第831回)

日程

令和6年3月10日 (日) 晴れ

参加者

参加者 CL 永野 (13名)

活動内容

コースタイム
生活科学研究所前9:00~松の木尾根取り付き9:16~釜谷道出合10:10~タカハタ道出合10:51~ツツジオ谷道出合11:09~山頂昼食休憩(11:20~12:10)~ロープウェイ駅休憩12:45~フクジュソウ鑑賞12:55~香楠荘尾根下降点13:05~鉄塔13:18~念仏坂下山13:39~ロープウェイ前バス停14:00

松の木尾根は、昭文社の2023年版山と高原地図「金剛・葛城」に掲載され、メジャーなコースになっていて、タカハタ谷と釜谷に挟まれた尾根は、金剛山では珍しい松の大木が尾根に林立し、斜面は灌木の自然林が美しい。取り付きより急峻な尾根は、ダイレクトに国見城跡がある山頂広場に突き上げている。香楠荘尾根は、標高1000m地点に建ち、金剛山の宿泊施設と食堂を営み多くの登山者が利用した香楠荘から名付けられた尾根で、香楠荘の裏からシャクナゲの路をジグザグに下って行き尾根道に入り、ロープウェイの鉄塔の下をくぐり、下って行き念仏坂に下山するルート。香楠荘の近くには、麓の千早駅より、金剛山駅を結ぶ金剛山ロープウェイが架設され、1966年4月より運行を開始したが、2019年3月15日から運休し(後に廃止)登山者や利用者が激減した為香楠荘は、2019年8月末で閉館になる。金剛山の春を告げる花の代表フクジュソウは、キンポウゲ科の多年草で花期は、早春に3~4cm 程の黄色い花を咲かせる。花は、日光が当たると開き曇りの日・雨の日や日が陰ると閉じる。若葉は、ヨモギの葉に似ていて、花が満開になると鮮やかな黄色い花が一面に広がる。金剛山登山口バス停(標高510m)から、登って来た車道を少し下り、右折しモンベルの前を通る道を選ぶ。生活科学研究所の前で朝礼をして、突き当たりの三叉路を左折する。黒栂谷に架かる橋の車止めの手前で右折し、少し進み左側に建つ千早浄水場の建物の前を通り、少し先の雪解け水の激流が岩を噛むように流れている川に架かる、コンクリートの階段状の橋を渡り、フェンスに沿って回り込み谷に入る。川を2回徒渉し、50m 程進むと左側に松の木尾根ルートの登山口がある。登り初めから5分程は、左手の崖に注意し、凍結した急斜面を攀じ登ることになるが稜線に出れば、幅の広い尾根道になり急登が続くが登り易くなる。左は釜谷右はタカハタ谷に挟まれた稜線を登って行き、幅の広い水平道になると松の巨木が林立する尾根になる。

右側に目を向けるとタカハタ谷の灌木の自然林が美しい。左側から登って来る釜谷道と出合い、大阪市街地を眺望することが出来る広場で休憩。雪を纏った熊笹の中に続く山道を登り詰めると、タカハタ道と出合い分岐になった広場で休憩。さらに登って行くと右側から登って来るツツジオ谷道一般ルートと出合い美しいブナ林の広い尾根へ。秋に落ちて厚く積もったブナの枯れ葉の斜面には、ここかしこに雪が積もっている。小さな石仏が一つ佇む分岐に、ツツジオ谷源流ルートが登って来る。やがて傾斜が緩くなり、六地蔵の前より野鳥の餌場を過ぎると、井戸のある広場に登り着き山頂売店前で昼食休憩。風花が舞うなか、雪原になった国見城跡の広場では、春の訪れを待つ金剛桜の蕾が堅く閉じ寒さに耐えている。

昼食後、金剛山遊歩道に向かうと、南海電車のパンフレットや車内広告で見る、金剛山の冬山の写真とキャッチコピーとして使われている、定番の霧氷の世界の景色と出合う。早春の青空の下、真っ白に輝く霧氷のトンネルを見上げて、金剛山遊歩道を歩く。白銀の世界の頭上で、枝先に白い花が咲いたように見える霧氷の、この清々しさは登山者でないと判らない。風が吹くと氷の花びらが梢から離れてキラキラ輝きながら、ゆっくり舞い踊る。近畿の冬山登山のメッカの一つ金剛山でも今年は暖冬で、なかなかお目にかからなかった霧氷を、3月にして見れたのは、幸運と言わざるを得ない。

アップダウンが少なく整備され歩きやすい金剛山遊歩道は、山頂売店より、ちはや園地に至る広大な山頂の、大阪側の縁を縫うように付けられていて、千早本道より香楠荘尾根までの、すべての尾根道・谷道と交差している。
香楠荘尾根に向かい徐々に高度を下げて行き、ロープウェイ駅前に着く。木製展望デッキより大阪市街地を一望し、ロープウェイが廃止になった金剛山駅で休憩。木段を下った山側の斜面沿いに造られた花壇では、雪中にフクジュソウが咲き誇り、鮮やかなビタミンカラーの花が目に眩しい。千早園地散策路のシャクナゲの路では、シャクナゲの蕾が膨らんでいて、5月にはピンクの花が散策路を鮮やかに彩る。香楠荘尾根の下降点より、段差が大きく凍結し、滑りやすい山道を慎重に下って行き、エメラルドグリーンの鉄塔下を通過し、念仏坂に下山する。凍結し滑り易い念仏坂のコンクリートの坂を注意しながら下り、ロープウェイ前バス停で解散。
永野 記

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