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例会報告

2022.08.13

例会報告

霧ヶ峰・美ヶ原

開催回

第1968回

日程

 令和4年7月31日(日)~8月1日(月)

参加者

 CL永野 (23名)

活動内容

深田久弥の著書日本百名山初刊が1964年7月に新潮社で出版されて、霧ヶ峰・美ヶ原は一躍有名になり、全国より百名山を目指す登山者や観光客が押し寄せるようになる。霧ヶ峰は高原状の溶岩大地で、高原の起伏はなだらかで緩やかな草原が360度広がる。最高峰は車山1925mで北側には、鷲ヶ峰・男女倉山・蝶々深山などの峰峰が点在する。湿原は、ヤナギランやニッコウキスゲを初めとする花の宝庫で、八島湿原・車山湿原・踊場湿原の湿原植物は、国の天然記念物に指定され花の百名山にも名を連ねる。 美ヶ原は、北アルプスの展望台として人気の高い山で最高峰の王ヶ頭2034mは、41座の日本百名山を望むことができると言われている。標高2000mの溶岩台地は、南北8km東西4kmに渡って緩やかな高原が広がり、200種類を越える高山植物が自生する。深田久弥は、自身の著書で「槍穂高の豪快な山容を鑑賞するのに最も適した距離である」と絶賛している。

7月31日(日)  晴れ
コースタイム(霧ヶ峰)
車山山頂14:30~車山乗越14:58~蝶々深山15:25~物見石16:02~七島八島17:32~八島園地駐車場17:34
JR久宝寺駅前を7:58に出発した日交バス(定員50名乗車23名)は、(近畿・第二京阪・名神・中央)とつなぎ車山高原駐車場に向かう。途中多賀SA
・恵那峡SAで休憩し12:54諏訪ICより大門街道・ビーナスラインで緑豊かな原生林が広がる八ヶ岳中信高原国定公園を縫って走り13:55車山スカイプラザや車山山麓駅がある車山高原駐車場に着く。展望リフトで山頂を目指す。車山山麓駅標高1566mより、展望リフトのスカイライナーで距離730mを6分乗り、中腹駅1698mに着く。スカイパノラマに乗り換え距離869mを8分乗り、車山山頂駅標高1910mに着く。リフトで上昇中振り返れば、白樺湖の湖面が水鏡のように光り、蓼科山の円錐形の稜線が美しい。前方上空を見上げれば、グライダーが上昇気流に乗り優雅に舞っていた。リフト駅の広場で集合写真を撮り、車山山頂1925mスカイテラスには、八ヶ岳や中央・南アルプスなどの絶景山岳を望む感動の大パノラマがそこに広がっていた。山頂は、360度の爽快ビュー❗で日本百名山のうち38座が見られる絶景スポットになっている。山頂にある車山気象レーダー観測所の白色の丸いドームは、以前富士山山頂にあったもの(新田次郎の小説富士山頂に登場する)を車山山頂に移したもので、球形ドームの内にある直径4mのパラボラアンテナを回転させて観測を行っている。山頂より広い砂利道を下り、八島湿原への道標で男女倉山(ゼブラ山)への分岐車山乗越に着く。車山肩への道を左に分けると木道になり、途中沢渡への道を左に分け、抜けるような蒼空に白い雲が湧く緑の大草原(車山湿原)の中を、一本の木道が真っ直ぐ緑の丘(蝶々深山)に向かって伸びている、夏色の絶景に感動を覚えながら木道を歩いて行く。車山湿原のニッコウキスゲの花は、既に終わっていて見られなかったのが残念だが、標高が高く暑さを感じない気温21℃の爽やか高原トレッキングを楽しむ。緩やかな坂を登り石のゴロゴロした広い山頂の蝶々深山1836mに着く。山頂からの眺望は、見渡す限り高原状の溶岩台地が広がり、高原には木々は少なく起伏はなだらかで緩やかな草原が海原のようにうねる。山頂で休憩し緩やかに鞍部まで下って行き、緩やかに登り返し大きな露石が積み重なった物見石1780mの広場に着く。眼下に高層湿原の八島ケ原湿原を眺望し、小刻みにジグザグを 繰り返しながら高度を下げて行くと樹林帯に入る。小さな沢を渡り、平坦な道でトイレがある鎌ケ池キャンプ場跡に着く。シカの食害を防ぎ植生保護の防護柵をくぐり、八島湿原沿いの木道を歩き左手鎌ケ池の脇を通って花の百名山霧ヶ峰を代表するヤナギランのピンクの花の群落を見て、天然記念物八島湿原の外周を巡り八島園地に着く。ビーナスライン下のトンネルを抜けバスの駐車場へ。八島湿原駐車場よりバスは、ビーナスラインを下りホテルエクシブ蓼科に向かう。途中バスの車窓より八ヶ岳(赤岳)が落日に染まり真っ赤に燃えているような、大自然が生み出す幻想的な夕景は息を飲む美しさがある。18:30エクシブ蓼科は、蓼科高原の蓼科湖東側に深い針葉樹の森に囲まれ佇むヨーロッパ風の建物で、非日常的空間の雰囲気を醸し出している。一歩足を踏み入れれば、映画マスカレードホテルの世界に誘うような重厚なフロントやロビー・ラウンジがあり、夏休みに入り猛暑の都会を離れ避暑に訪れるファミリーの客で賑わっている。山行の汗を流し、20:00よりロイヤルウッズ(約200席のホール)でバイキング料理を取る。料理は、地元信州産の食材をふんだんに使った和・洋・中の料理やデザートが数多く並び時間をかけ、たっぷり食べることができた。食後各人6部屋に別れ就寝。

8月1日(月) 晴れ
コースタイム(美ヶ原)
山本小屋ふるさと館10:46~美しの塔11:00~塩くれ場11:11~烏帽子岩11:26~王ヶ頭山頂12:16~王ヶ頭ホテル昼食(12:20~12:40)~塩くれ場13:05~美しの塔13:11~山本小屋ふるさと館13:23~牛伏山13:33~山本小屋ふるさと館13:45
エクシブ蓼科で向かえた朝、部屋の外には、白樺や針葉樹の美しく手入れされた気持ちの良い庭が広がり、明るい陽光と爽やかな高原の風が吹いている。朝風呂の露天風呂で体をリラックスさせ、8時より朝食のバイキングは、和・洋や果物デザートの種類もふんだんにあり幸せな時間を楽しむ。バスは9:13にホテルを出発しビーナスラインを走り途中白樺湖湖畔白樺リゾートのローソン白樺湖店で各人昼食のおにぎり等を購入し美ヶ原に向かう。霧ヶ峰より美ヶ原に至るビーナスラインは、茶色の木肌が美しいダケカンバやツガ・トウヒ等の針葉樹の美林の中を山襞に沿って走る絶景ドライブルートで羊腸のように、ぐねぐねと曲がりながら青い空に向かって駆け上がって行く。バスはやがて、ビーナスラインの終着点に位置する、観光やトレッキングの拠点美ヶ原山本小屋ふるさと館横の駐車場に着く。コースの説明をして、山本小屋ふるさと館より王ヶ頭ホテルに向け歩き初めると、陽光が降り注ぐ丘には、牧草地が広がり放牧された牛たちが、のんびり草を食べている。遠く八ヶ岳連峰の蒼き山稜を望みながら、牧歌的風景の中を歩き美しの塔の前で集合写真を撮り、美ヶ原牧場のなか左右を牧柵に挟まれた平坦な遊歩道で塩くれ場の分岐に着く。分岐を左に進路を取り、遊歩道と別れ百曲り園地方面に向かう。途中茶臼山2006mへの道を左に分け、百曲り園地で分岐の左は、深田久弥が登った百曲りコース(ふじさわ道)で急斜面が続き広小場より大門沢に沿った三城いこいの広場に至る。分岐を右に取り「アルプス展望コース」に入ると、今まで穏やかな起伏の草原で放牧された牛たちが、のんびり草を食べる牧歌的な景観から雄大な山並みを望む景観に一変する。溶岩台地美ヶ原の南端から西端に向け崖っぷちの斜面をトラバースで巡るコースで、終始左側は、深い谷の断崖絶壁が続く。石がゴロゴロした険しい斜面道のトラバースで足元に注意をしながら、進行方向正面の雄大な北アルプス(乗鞍岳・奥穂高岳・槍ヶ岳)方面の峰峰を眺望する。コースの中間の烏帽子岩で谷に突き出た岩場で休憩し、眼下に広がる光景を楽しむ。トラバースを続けて行き、登山者が沢山座っている諏訪湖が見下ろせる鉄平石が敷き詰められた広場に着き休憩。展望コースを巡って行くと左手眼下には、山あいに大きく広がる松本市街地が見え、遠望しながら鋸歯状の岩峰が延々と屹立する、雄大な北アルプスの山並みを眺めての斜面道歩きが続く。右手前方上部の切り立った崖ぎりぎりに建てられた大きな王ヶ頭ホテルの建物を見上げながら、左側の急峻な斜面に注意して、荒々しい溶岩台地の縁に沿って作られた狭い斜面道のトラバースが続く。斜面では、群落を作っているツワブキの黄色い花が見頃を向かえ真夏の青空に映える美しいコントラストを見せてくれる。ダテ河原コースと出会った所で、真上のホテルに向かって急登する。王ヶ頭ホテルの裏側より、長野朝日放送・長野放送・テレビ信州などの鉄塔が林立する広場の王ヶ頭と彫られた大きな石標と三角点のある山頂2034mで記念撮影をして、王ヶ頭ホテル玄関前のベンチで昼食。食後ホテル内のcafe2034南側テラス席で、人気の濃厚なソフトクリームを食べながら南アルプスの峰峰を眺望する。帰路は、美ヶ原パノラマコース(遊歩道)で塩くれ場・美しの塔より山本小屋ふるさと館の前に帰り着く。最後の牛伏山登山は、伏せた牛の像がある登山口より、両側に牧柵が続く石がゴロゴロした登山道を約10分登り牛伏山1990m山頂に着く。開放感たっぷりの山頂広場には、大きなケルンがいくつかあり、中央には山名盤が設置してある。美ヶ原全体や雄大な山岳風景を見渡せる360度の展望がある。山座同定をして登頂を記念し万歳をして、脳裏に風景を焼き付け下山にかかる。東側には、美ヶ原高原美術館の屋外展示の一部が見え往路を下って登山口に戻る。山本小屋ふるさと館駐車場を13:54に出発したバスは、ビーナスラインを下り14:53岡谷ICより(中央・名神・第二京阪・近畿)とつなぎJR久宝寺駅に向かう。途中駒ヶ岳SA・内津峠PAで休憩し、18:46草津SAは満車のためスルーし19:33JR久宝寺駅前に着き解散。     永野 記

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