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例会報告

2023.09.23

例会報告

葛城古道 役行者と日本書紀・古事記の世界

開催回

第2000回(金剛山第813回)

日程

令和5年4月2日

参加者

CL根来  (20名)

活動内容

コースタイム
近鉄御所駅下車8:35 小林口バス停までタクシー利用
第二十三経塚で朝礼9:00~20 猿目石の南9:27~37 楢原休憩所10:00~19
一言主神社10:40~57名柄小学校の上田角之進顕彰碑の下で昼食
11:17~12:07 県道30号(山麓線)橋本院分岐13:15 高天が原で休憩
14:00~31 高鴨神社15:53解散 風の森バス停16:10 16:29のバスに乗車 

昭和49年1,974年8月11日に私が第一回のリーダーをさせてもらって金剛山頂から南海高野線の天見まで歩いた。時の流れは速い。あれから49年になる。そして今日第2000回を迎えて感慨無量、これ以外に言葉はない。平成17年から毎年続けてきた金剛葛城東麓の歴史ウオークの例会のリーダーにご指名下さった金剛山剛友会の暖かいご配慮に心から感謝感激。微力ながら会の皆様への最後の貢献をしたいと心に決めた。
私としても87の年齢を背中に背負っているだけに、このところ脚力作りや少しでもお役に立てるような内容作りに全力投球で頑張った上で例会に臨んだ。15kmの長い道のりにもかかわらず、私にしっかりと目を向け、私の話に熱心に耳を傾けて下さった。また高天彦神社までの長い上り勾配の道では不整脈が災いしてゆっくり、ゆっくりの歩きになってしまったが、リーダーの前に出てあおり立てるような方もいず皆さん暖かく見守ってくださった。そのぬくもりが全身に伝わり、あらためて金剛山剛友会の暖かさを感じとった。
 話の内容は会報No.135とNo.138にレジメとして出しておいたが、高天彦神社の前の梅の木については書き落としたのでここに記す。
この一見なんでもない梅の木には歴史がある。昔、高天寺の小僧が若死にしたので、その師は嘆いていた。すると梅の木に鶯が来て「初春のあしたごとには来たれども、あはでぞかへるもとのもとのすみかに」と鳴いた。それからはこの梅を鶯宿梅という。「御所市史」は「古今秘抄」にのっているとして750年前後孝謙天皇の御代に鶯が宿って和歌を詠じたとしているがこれがこの梅についてのもっとも古い歴史のようだ。
「金剛山記」によると1738年中尾含真が「土産枝折鞭イエズトシオリノムチ」」の中で「高間明神にまいる。高間寺あり。白楽天の謡の中で、高間の寺の住人が鶯の初陽毎朝来と囀りし梅の有し所なりといふのは」ここだと解説している。
1669年に貝原益軒は「諸州めぐり南遊紀行」の中で高間について「名ある所なり。・・・鶯の名所也。大なる社有。高間寺あり。俗にいはゆる鶯の初陽毎朝来と囀サヘズりし梅有し所と云。」と書いている。
1553年には三条西公条が「吉野詣記」にこの年の3月「四日高天寺にいたりぬ。初陽毎朝来の梅の樹、近き頃風に折れたるよし申て。一丈ばかりの数囲故朽したる傍に小枝あり・・・」と書いている。「小枝」は「小祠」であろうが今も木の下に小さな祠がある。
もっと古いところでは「曽我物語」(1193年の軍記物語)にも かの寺(高天寺)の軒端の梅の木ずへになく鶯の声を聞けば、「初陽毎朝来 不相還本すみか(木ヘンに西)にとなきける。文字にうつせば、歌なり。
初春の朝アシタごとにはきたれどもあはでぞかへるもとのすみかに
と、鶯のまさしくよみたる歌ぞかし。」
要するに(ここに書いただけでも)こんなに古い時代から言い伝えられてきた梅の木であることがこの梅の木の値打ちなのに、現場の解説板には肝心のコメントがないので補足した。これを蛇足というのかも。
もう一つ。一言主神社の参道に祭神一言主神についての案内板がある。神社が出している案内と御所市の観光協会のと二つある。
どちらも雄略天皇が狩りをしていて、同じように狩りをしている一言主神と出会い、一言主神は「吉事も凶事も一言で解決できる一言主大神だ。」と名乗った。祭神の説明としてこのように書いている。一言で解決できるというのは自分で名乗っているだけで世間がそのように言っているというのではない。祭神の説明としては言葉の遊びのように思える。
古事記(816~825頃)はこの話に続けて
雄略天皇は、全く存じ上げず失礼しましたとお詫びして大御刀や弓矢、百官の衣服を献じて敬意をはらいあとは仲良く狩りをしたと書いている。
こんな偉い神様がこの神社のご祭神だ。肝心のこの説明がどちらの案内板にもない。一言主大神、日々残念な思いをされていることだろう
最高の天気と満開の桜に恵まれた。事故もなく、高鴨神社で解散できた。ご参加の皆さん、SL北辻さん、有り難うございました。  リーダー記

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