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例会報告

2022.05.30

例会報告

六甲山(八幡谷~東お多福山)

開催回

第1957回A

日程

令和4年5月15日(日) 晴れ

参加者

CL永野 15名

活動内容

コースタイム
岡本駅8:30~八幡谷入口9:04~打越峠10:20~七兵衛山10:28~黒五谷11:00~住吉川側11:16~雨ケ峠昼食(12:32~13:00)~東お多福山13:30~土樋割峠13:48~東おたふく山登山口バス停14:15
東お多福山697Mは、神戸市東灘区と芦屋市の境にあり瀬戸内海国立公園に属する六甲連山の中にあって唯一草原の山陵を持つひときわ顕著な山容で六甲最高峰山頂直下に位置する。山名の由来は、創業100周年を向かえたオタフクソースでお馴染みの平安時代を象徴する、ふくよかな美人顔お多福のお面を斜めに立て掛けたように見える山容から呼ばれるようになった。この地域では珍しいササに覆われた山肌は、女性的な明るい草原状の斜面になっていて六甲唯一の高原歩きが味わえる。今回の山行では最高峰を源流とする住吉川本谷の西方向よりお多福のお面のアゴにあたる雨ケ峠を経て眉間に位置する草原の山頂を巡る。阪急岡本駅北側にある水上勉の小説「櫻守」のモデルになった屋敷跡に桜(ササベザクラ)が植えられた岡本南公園で朝礼。榮田橋を渡り天上川(八幡谷)の右岸に沿って住宅街の舗装路の急坂を登って行く。山麓に建つ住宅の途切れた所が八幡谷の入口で登山道は森林の中の八幡谷沿いに付けられていて右手眼下には深い谷をえぐって流れる水の沢音が激しく鳴っている。緑の橋の奥に掛かる八幡滝を見て、八幡滝砂防ダムの先で左に岡本バットレスへの道を分ける。大きな八幡滝第二堰堤を巻き、二又は左を取りジグザグの急登で高度を稼いでいくと右手眼下に地元の人達から親しまれている水場がある。やがて流れは細くなり涸沢になると、頭上東側に七兵衛山が見えてきて、僅かの登りで打越峠に登り着く。峠に咲くモチツツジの花びらが五月の風に乗ってひらひら舞う風景を見ると専門家が査定しランキングを発表する「プレバト」の俳人夏井いつき先生の句「花びらを追ふ花びらを追ふ花びら」の情景が浮かぶ。峠より僅かに東に向かい右手熊笹の径を進むと少しの登りで七兵衛山山頂に着く。標高426Mで六甲主稜線の南側に位置し山頂は狭いが南側直下の展望所からの眺望はすばらしく
神戸市街から海岸線沿いの海に浮かぶ六甲アイランド・ポートアイランド・神戸空港や大阪湾の絶景を見ながらオタフクソースを塗ったエビセンを全員で食べる。打越峠の十字路を北へ下り、深い森に囲まれ静かに水をたたえている黒五谷のせせらぎの音に耳を傾けながら飛び石で渡り少し進むと窪みに六甲山系では珍しいクリンソウのお花畑がある。
山道を東側へ登った小さな沢に群生していたクリンソウを地主の人が移植したもので、満開のクリンソウを観賞し住吉川本谷に向かって下って行く。住吉川は、開いた扇の骨のように広がった沢が扇の要の石切道登山口付近で合流する。住吉川に沿った住吉道「太陽と緑の道」は高度差のある狭い崖沿いのコースで路肩の踏み外しに注意し斜度がきつい階段道のアップダウンを繰り返して登って行く。高度を稼いでいくと正面に最高峰の電波搭が見えてくる。西滝ケ谷・西お多福山分岐を左に見て登って行く。阪神大水害で100M上から流されてきた「右有馬道」の石標を見て休憩。山は新緑の季節を向かえ最高峰より西お多福山主稜線に沿って咲くフジの花が山肌を淡いフジ色に染め上げる。雨ケ峠への標識を右に取り東屋のある広場で昼食。食後少し登った左手雨ケ峠北621.3M4等三角点前の広場は、雨ケ峠の広場より眺望は勝る。六甲最高峰を左に見て東お多福山山頂に向かって解放感があり起伏する草原斜面には、この時期繁茂したネザサにマダニが潜んでいるので注意しながら登る。現在南斜面一体は、ササ原から従来の茅場に戻すSDGsな取り組みが行われている。東お多福山山頂からは、東南方向が開け、深く入りくんだ大阪湾や生駒山より金剛山に至る稜線が見渡せる。水越峠の後ろには大峰の山々が春霞に霞む。全国でも珍しい伊丹・神戸・関空の3つの空港が一ヶ所で見えるポイントが山頂の東側にあるが今日は霞んで見えにくい。山頂より北へ樹林帯の中を下り土樋割峠に向かう。峠を東に向かい蛇谷沿いの九十九折れの蛇谷林道(舗装路)を下り東おたふく山登山口バス停で解散。阪急バスに乗り阪急芦屋川駅へ。
永野 記

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