例会報告
2024.07.20
花紀行第5回 生駒・ぬかた園地の紫陽花
開催回
第2059回日程
2024年6月27日(木) 曇り
参加者
CL土岐岡 11名
活動内容
行程 額田駅9:30―額田観音―9:45枚岡公園―11:50ぬかた園地(昼食)12:40―14:00辻子谷コース分岐―14:35興法寺―15:30石切駅
山行記録
紫陽花(あじさい)の八重咲く如く やつ代にをいませ 我が背子見つつ偲はむ……と万葉集にも詠われていますが、園芸種の中でも薔薇などと共に数多く品種改良され、紫陽花は今日最も身近に見られる植物です。
6月の梅雨の季節に咲く、30種類・約二万五千本の色とりどりの紫陽花が咲く、生駒のぬかた園地を例会計画しました。
紫陽花には雨が似合いますが、計画の23日は大雨予報、安全安心を優先して日程を変更し、平日の27日に実施しました。
集合場所の額田駅を住宅街に沿って山手に進みます。直ぐ正面に額田観音があり、境内の蓮(はす)の花はまだつぼみでした。蓮は植物のなかでも、もっとも古いもののひとつです。およそ1億4000万年前に、すでに地球上に存在していたといわれています。子供のころ近くの池に生えていたハスの実を食べた記憶があります。今の子供たちは蓮の実が食べられることすら知らないと思います。
住宅街を抜けると枚岡公園です。ベンチや遊歩道があり、地区の方の散歩や憩いの場所になっています。枚岡公園から山道を辿っていくと、ムラサキシキブ、アカメガシワ、ネムノキなどの木本の花が咲き、足元にはオカトラノオ、ヒメジョオンやクララの花も咲いています。クララは最近見ることが少なく、毒草であるがそれを食草とする絶滅危惧種のオオルリシジミの蝶も少なくなっています。そして木立にはヒメコウゾウ、イヌビワの実が成っていました。ヒメコウゾウの赤い実を試食してお味は如何でしたか?
新緑の木立の間をゆっくりと登っていくと、やがてぬかた園地に着きました。ここは大阪府民の森として紫陽花をメインに整備され、この季節はあじさいまつりが開かれている。たくさんの方が色とりどりの紫陽花を楽しんでいます。
私たちもそんな紫陽花に囲まれてゆっくり昼食を摂りました。食後は紫陽花のプロムナードを写真に撮ったり、彩り綺麗な花びら(実際は萼=装飾花)を鑑賞したりしながら、ゆっくり歩きます。私たちが今日(こんにち)見る紫陽花は、日本の在来種のガクアジサイを西洋で品種改良し、日本に逆輸入されたものだそうです。
「花の色はうつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」…と桜や人の移りを小野小町が百人一首で詠っていますが、紫陽花の花色変わりは土が酸性では青色に、中性で紫、アルカリ性では赤色になる、と言われていましたが、それだけで決まらず、ほかの要因にも影響されるようです。自然は神秘的です。
紫陽花ロードを歩きながら、私のお勧めの紫陽花(スミダノハナビ、桃色山、アナベル、七段花)を紹介しながら、生駒との分岐を左に下がり、やがて興法寺に着きました。
このお寺の境内にはシャラ(沙羅)の木があります。別名ナツツバキと呼ばれ、平家物語の序章に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色……」と言う有名な一節に登場する木です。純白の花が世の無常を表しているのでしょうか。平安時代も現代も人の世は色即是空、夢幻泡影です。
参道を石切駅に向かって下っていくと、やがて住宅街に出る。 地元の薬種工場からは薬の匂いが漂い、この地は石切神社と共に和漢方薬が栄え発展してきたことが伺えます。
まもなくして、高架が見え近鉄石切駅で解散しました。
心配した天候も皆さんのおかげで雨にも合わず、昨夜に降った雨に濡れた草木の緑や、紫陽花の色鮮やかさを、皆さんと楽しんで歩けたことに感謝します。
シンガーソングライターの小椋佳の歌に…♪六月の雨には 六月の花咲く 花の姿は変わるけれど 変わらぬ心を誓いながら いくつ春を数えても いくつ秋を数えても 二人でいたい♪……歌詞にあるそんな六月の花風景を思い起こせる今日の例会でした。
花紀行第5回目、これからもみなさんと花紀行を続けていきたいですね。
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新聞の「短歌」欄からご紹介
*山の峰へ行こうか 行けるか立ち止まる きょうが一番若いのだ 行こう
*上を向け 前を向くべし 八十歳 転ばぬやうに 下も見ながら
*付き合ひは 60年と50年 どちらも大事 酒と女房
*出来ること だんだん減って しないこと どんどん増えて 喜寿を乗り切る
*払っても 払っても 払えぬ 老いが追(つ)いてくる
Smil brings happiness .
Staytrue to who you are
(記)土岐岡