PAGE TOP

例会報告

2024.05.19

例会報告

花紀行第4回  高野二山とクリンソウの花

開催回

第2053回

日程

2024年5月11日(土)    晴れ

参加者

参加者 CL土岐岡     8名

活動内容

コースタイム
奥の院9:50―10:05群生地①―10:40摩尼峠―11:15摩尼山―11:45黒河峠―12:05楊柳山(昼食)12:45―13:10子継峠―13:35群生地②―14:00群生地③―14:30三本杉―14:40奥の院 

九輪草(クリンソウ)は皆さんご存じのサクラソウ科で日本原産です。と言っても改良された園芸種のウンナンサクラソウが庭や公園に多く植えられ、クリンソウはほとんど自生を見ることは少ない。以前は金剛山でもカトラ谷に見られたが、谷の崩壊により激減し、今はちはや園地に植栽されているのを見る。
そんなクリンソウのお花畑を求めて、花紀行第4回、風薫る皐月(5月の古名)の高野二山に例会山行しました。

例会計画の12日は終日雨予報のため、前日の11日に変更して実地しました。
奥の院前バス停に集合し、南無大師遍照金剛の門柱前で朝礼、ミーテングをして奥の院の境内から入る。たくさんの墓石が並ぶ参道を奥に進むと奥の院御廟の裏に行く。
そして高野三山の摩尼山への山道に向かうと、谷の湿地に鮮やかな紅色の花群れが見えてきた。クリンソウの花です。
早春のころから、他に先駆けて咲き、花が段々に輪生して次々と咲く。この様子がお寺の五重塔などの頂上にある柱の飾り「九輪」のようなのでこの名になった、と言われる。
花言葉は「幸福を重ねる」です。私たちも今日、このクリンソウの群生に出会い、これからも幸せを重ねていきたい、と願いました。

暫し、クリンソウのお花畑に埋もれながら谷間を周回し、更に山道に進みながら行くと摩尼峠に着く。ここから少し急な山道を登ると摩尼山の山頂です。 標高は1004mですが高野の街は既に標高850mあるので、標高差は150m程である。木々に囲まれ展望はなく、小さな祠があるだけです。一本立てたあと、次の楊柳山に向かいます。

杉や檜の植林を小さくアップダウンしながら東摩尼山(黒河峠)を通り、やがて1008mの楊柳山に着く。ここも展望はないが少し開けていて、針葉樹の森にブナ、コナラ、クヌギ等、落葉樹の薄黄緑の新緑が周囲を明るくしてくれる。そんな新緑を見ると、若いころに読んだ詩の一節を思い出します。
「…貧しいから あなたに差し上げられるものと言えば 五月のやわらかな若葉と せい一杯あなたを愛する心だけしかありません。…」剛友会の女性の皆さんは青春時代この言葉を言われたことがあったでしょう。
新緑の下でゆっくり昼食を摂り、子継峠へと下る。

30分ほどで子継峠の分岐に差し掛かりこれを左にとり谷を降りる。水量は多くはないが、渓流にそって行くと木道が現れる。この木道の湿地帯にもクリンソウの群生が見られる。倒木等で湿地は荒れているが、それにも負けずクリンソウの花は咲かせている。
こんなに可憐な花なのにその強さはどこにあるのでしょうか。
二ヶ所目のクリンソウの群生地を見て、更にヌマスギ、ウツギ、シデ、ウリハダカエデなどが茂る林を三本杉へと向かう湿地に、3か所目のクリンソウの群生地がある。ここでもゆっくり鑑賞し、奥の院裏手の三本杉へと歩いて今日の例会山行は終わりました。

みなさん今日の例会山行は如何だったでしょうか。
優しい空気を深呼吸していると、ココロもカラダも癒されます。
季節ごと何度か訪れる高野山も、今日の初夏の風景は新鮮な息吹を感じさせてくれたのではないでしょうか。

童話作家の斎藤隆介の「花さき山」という児童書に、「…花は人間がやさしいことをひとつするとひとつ咲く、おまえの足もとにさいている赤い花、それはおまえがきのう咲かせた花だ。 …この花さき山いちめんの花は、みんなこうして咲いたんだ。やさしいことをすれば花が咲く……」。
花を見れば優しい心になれます。 一人ひとりの優しさが集まってお花畑が出来ます。 これからもたくさんの花を咲かせていきたいですね。

君の姿は九輪草 紅を纏って舞いにくる 面影いざなう 夢一夜   (by 山の子)
*クリンソウの花のように可憐で美しく、いつもイキイキとしている剛友会の女性の皆さんをイメージして…

(記)土岐岡

Print Friendly, PDF & Email