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例会報告

2023.05.23

例会報告

花紀行第2回 花紀行・妙見青貝山のミツマタ

開催回

第1999回

日程

 令和5年3月25日(土)  薄曇りのち時々晴れ

参加者

CL土岐岡和雄  14名

活動内容

行程
妙見口9:20―吉川峠9:50―トンボ池10:20―ヤシキ谷(エドヒガ
ンザクラの自生地)10:25―ミツマタ群生地①10:40―ミツマタの
群生地②11:10―青貝山(11:50~12:40)―ミツマタの群生地③
13:20=吉川峠13:50―妙見口駅14:15

山行記録
「春されば まづ さきくさ(三枝・ミツマタ)の ……」と山上憶良は万葉集で謳っていますが、雪解けの早春は生命の芽吹きでもあります。
そんな早春に咲く花をスプリングエフェメラルといい、セツブンソウ、カタクリ、フクジュソウ…など草本があり、また木本のマンサクや三又(ミツマタ)があります。ミツマタと言えば日頃目にする、野口英世や福沢諭吉に使われています。ご存知、紙幣や和紙の原料の一つです。
ミツマタという名前は知っていても、そのアイボリーホワイトの花と香りの群生は知らない人が多いのではないでしょうか。今日はそのミツマタを訪ねて例会山行、妙見の青貝山に行ってきました。

初夏のような気温が続いていましたが、最近は菜種梅雨を思わせる不安定な天気で今日も予報は曇り、でも皆さんの晴れパワーを信じて決行する。 
妙見駅に近づく能勢電の車窓から見る山手は、桜、桜で桜色に染まっていて期待する心が弾みます。今朝は平年の気温に戻り、少し肌寒い妙見口駅を降り駅前で朝礼、北は妙見山へ東方向は青貝山へのコースです。
初谷川を横手にのどかな里山風景が広がり、畑の脇にはフキノトウ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウなど春の草花が見られます。吉川の農村を10分ほど進みショートカットして山手に向かう。緩やかな舗装路を過ぎると吉川峠の分岐である。ここから谷道を登っていく。緩やかな登山道を進むとトンボ池に着く。ここは地元の人たちがビオトープとしてトンボやアサキマダラなどの生育のために整備、保護している場所です。池にはタニシやメダカがおり、周辺にはクリンソウ、フジバカマが植生されていました。トンボ池から北に行くとヤシキ谷にエドヒガンザクラの自生地です。桜と言えばソメイヨシノが有名ですが、ソメイヨシノはこのエドヒガンザクラとオオシマザクラの交雑種と言われています。エドヒガンザクラは数少ない日本の桜の原種(自生種)のひとつで、ここには樹高15mの古木「源治丸桜」があります。桜は万葉集や古今和歌集など、数多く和歌に詠まれて春の訪れを感じさせてくれる花です。
トンボ池から小さな渓流に沿って行くとやがて、谷一面にミツマタの群生が見えました。アイボリーホワイトの色とかすかな甘い香りが一面に広がっています。ミツマタは新芽が芽吹く前に花を咲かせ、早春を告げる花として親しまれている落葉低木です。可愛い黄色の花がポンポンのように丸く密集した状態で咲きます。花はまさに春の訪れを連想させるような甘酸っぱい香りです。ミツマタの花園に囲まれてみなさんは何を想い浮かべたでしょうか。
田中澄江は花の百名山の著書の中で「私は春の山が一番好きです」「~もう一歩も登れない、と思う山路の疲れを、いつもやさしく癒してくれるのは、幾千幾万の物言わぬ花々だ」…と山への想い、花への想いを述べている。私たちも山に登り続けるのは、大好きな山に咲く花をその山で愛でたいがためである。

暫し花との共演を楽しみ、登山道を少し戻って尾根筋を登ります。鉄塔がある尾根までは急登です。途中少し開けた場所で一本し、また尾根を進むと右手の谷にもミツマタの群落がみえました。ミツマタの二ケ所目の群落を見ながら緩やかな尾根筋を登り、いくつかの小さなピークを越して青貝山の山頂に着く。三等三角点があるが展望は無い。しかし、周囲はブナ、コナラ、アベマキなど落葉樹の森林で秋は紅葉が楽しめそうです。もう一度秋の季節にも訪れてみたいと思いました。
昼頃には太陽が顔を見せ、山頂の陽だまりで風もなく、周辺の桜を見ながらゆっくり昼食を摂って、少し急な尾根道を下ると谷に降り、ここからエドヒガンサクラなど春爛漫の桜の道を3つ目のミツマタの群生地に向かいます。谷筋に咲くミツマタを見て来た道を戻り、暫く進むと往路と合流し、眼下に里山を見ながらゆっくり妙見口に到着し、駅前で終礼をして解散しました。

大雪に見舞われた今年の冬でしたが、ようやく訪れた春は季節の始まりです。 ユーミンのヒット曲「春よ来い」の歌詞に ♪淡き光立つ俄雨~ いとし面影の沈丁花~ 溢るる涙の蕾から~ ひとつひとつ香り始める……春を迎える心が伝わります。
そんな弥生3月の早春の一日を、皆さん今日は春を感じていただけたでしょうか。

♪上を向いて歩こう 前を向いて生きよう
♪明るく、楽しく、在るがままに、無いがままに
Take it easy.
人生や 幾多の分岐  三又の花      (by山の子)
                              (記)土岐岡和雄

備考

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