例会報告
2022.07.12
狼谷~うさぎ谷
開催回
第1960回(金剛山796回)日程
令和4年6月5日(日) 晴れのち曇り
参加者
CL 永野 (22名)
活動内容
コースタイム
水越峠東屋9:20~金剛の水9:55~モミジ谷入口10:10~狼谷出合10:27~狼尾根分岐11:21~山頂昼食(11:50~12:50)~タカハタ松の木分岐13:10~うさぎ谷分岐13:55~カマ谷下山14:10~モンベル前解散14:33
大阪・奈良の府県境に位置する金剛山には、大阪府側奈良県側とも数多くのコースで登られています。中でも狼谷コースは、スマホで「金剛山狼谷」と検索すれば、多くの人からの情報を得ることが出来ます。狼谷は30年程前当会元会員の藤本氏のリーダーで例会をしましたが、その後倒木や崖崩れなどで谷が埋め尽くされ廃道になり何年もの間人跡未踏の封鎖された状態になっていました。近年になり当会のメンバーの助けも得て倒木の整理をし、なんとか遡行が出来るようになり、平成26年3月23日に狼谷例会を再開し今では多くの登山者が利用しています。水越峠南側の東屋の前で朝礼。夏めく青もみじの下で会よりの報告とコースの説明をし林道を歩いて行く。水越川を流れる涼しげな水音を訊きながら緑陰涼風の林道を歩き葛城山南端の尾根と旧パノラマ台から北上する尾根が末端で切れ落ち、ぽっかりと空いた空間より奈良県側の絶景を観ることが出来る越口で休憩。少し先右手の橋を渡り川の右岸に沿って西へ向かえば、県境尾根道・東尾根道・西尾根道がありいずれも太尾塞跡方面に登り着く。林道歩きを続け湧水が迸る金剛の水で休憩。新緑の若葉が茂り六月の陽光で木漏れ日が降り注ぐ林道より、モミジ谷を飛び石で徒渉すると歩き易かった道が一気に狭くなり傾斜もきつくなる。3つ続く堰堤はすべて右岸を巻き3つ目の堰堤を越えた広い川原で川を渡り左岸に付けられた山道を登って行く。鬱蒼とした樹林帯の渓流沿いの湿った斜面より蛙の不気味な鳴き声が訊こえてくる小さな滝が連続し岩肌に沿って流れ落ちる清流は白糸を引くように美しい。モミジ谷・狼尾根・狼谷への分岐狼谷出合で休憩。狼谷を進むと谷の中は風で根返りした倒木があり岩に乗り上げている流木もある谷が左へカーブするとナメ滝が現れる。濡れていて滑りやすいので慎重に足の置場を選び体重を移動させて行く。金剛山最深部の狼谷源流より流れ出た水は、渓流となり森林をくぐり金剛山系最大級のナメ滝の岩盤を縫いモミジ谷と出合いくつもの滝を集めて水越川に合流している。川の流れが細くなり静かなせせらぎの沢音になると渓谷一面に鮮やかな淡い緑色で縦の筋が際立って大きな葉のバイケイソウの群落が広がる。バイケイソウは個体のすべてが有毒なので触れないように注意して登って行く。勾配がきつい急斜面の沢詰めが続き狼尾根分岐に登り着く。水平道で湊かなえの小説残照の頂(続・山女日記)に登場する行動食の定番きのこの山を全員で食べ休憩。狼尾根分岐を左へ行けば狼平より狼尾根に至るが、右を取り水平道の尾根道で大日岳直下を左折し、山腹道のトラバースで突き当たりを右折し東斜面を直登して大日岳頂上南側の縦走路に出る。右セトの十字路を直進しT字を右折し食堂脇の路地より山頂食堂前に着く。大峰山が自生地として有名な白いハスの花に似た花を咲かせている神秘的で人気のあるオオヤマレンゲの花を観賞して昼食休憩。気温15℃と少し体が冷えてきたので早目の下山をする。山頂井戸のある広場より六地蔵尊の前を下って行くと登山道沿いに林立するブナの大木は天に向かって枝を広げ、一斉に芽吹いた若葉は瑞々しく目に眩しい。一つ目のY字(左タカハタ道・右松の木尾根道)分岐は右を取り針葉樹と灌木が混在する樹林帯の中の松の木尾根道を下って行く。2つ目のY字分岐は左松の木尾根道を取り、前方眼下に梢を透かして大阪市街地を眺望しながら下り、途中細い山道のタカハタ谷への道を左に分け、うさぎ谷分岐で休憩。右手眼下に、うさぎ谷を見ながらカマ尾根末端の急坂を下りカマ谷に下山する。うさぎ谷の前を歩き谷全体で植林の伐採が行われた為広く大きく見える谷を見て、黒栂谷砂防ダムの落差14Mを流れ落ちる白いカーテンのような水膜に清涼を感じながら黒栂谷道を歩き昨年10月に開店したモンベルの店舗の前で解散。 永野 記