例会報告
2024.07.20
寺谷~馬の背
開催回
第2060回 A (金剛山第834回)日程
令和6年6月30日(日) 雨
参加者
CL永野 (7名)
活動内容
コースタイム
ロープウェイ前バス停9:00~文珠東尾根取り付き9:20~最初の水場9:30~第1ベンチ9:41~最後の水場10:43~売店前広場昼食(11:00~12:30)~馬の背降下点12:36~左折の分岐12:57~細尾谷出合13:12~念仏坂出合13:22
寺谷は、文珠尾根と馬の背に挟まれた谷で、夏場は沢に沿って付けられた、谷道での涼感溢れる山歩きが楽しめる。
また四季折々の草花や景色が楽しめ、渓流のせせらぎを訊きながら、自然を満喫することができる。馬の背は、両側が切れ落ち崖になっている狭い尾根や、そこに作られた登山道を指し、日本最高所の馬の背は、富士山山頂の浅間大社奥宮より西に向かい、三島岳3734mを左に見て、距離約400mのお鉢巡りの山道で、剣ヶ峰3776mに至るまでを呼ぶ。奥穂高岳3190mの例会では、山頂よりメンバーの1人が誤って、両側が切れ落ち高度差が300m程あるナイフリッジを、ジャンダルム3163mに向かった細尾根も、馬の背と呼ばれる。金剛山の馬の背は、寺谷と細尾谷に挟まれた
尾根で、コースは文珠東尾根と共に、2024年版昭文社山と高原地図に記載されている。
金剛山ロープウェイ前バス停広場の梅雨の空は、早朝より掻き曇り小糠雨となって、細かい雨粒が霧のように体にまとわり付く。刻の移ろいとともに、コンクリートで固められたロータリーが、ゆっくりと濡れていく。百ケ辻より、渓流沿いに付けられた谷道の念仏坂(伏見林道)のコンクリートの林道を登って行く。文珠中尾根(通称アナグマ)取り付きより、少し先の500m程登った標高700mの右岸渓流沿いの急斜面の崖下には、昔待ち合わせの場所に使われたと案内板が伝える、樹齢約300年と推定される、大阪府指定天然記念物の千早のトチノキ樹高25m幹周り4.3mの巨木が聳える。
トチノキは、5月中旬に上向きに円錐状の白い花を咲かせる。渓流沿いの林道を登って行くと、左側の赤く変色した大きな岩の隙間から、水が湧き出している。この水場は、昭文社の山と高原地図に水と表記されていて、コップが置いてある念仏坂唯一の水場。
水場を少し進んだ寺谷出合いで、谷の奥を見上げる。高度差のある崖に連続した滝が架かっていて、この先の細尾谷のようにダイレクトに谷に入れないのを確認する。
水場の右側に文珠東尾根(通称ハードコース)の取り付きがあり、木製の階段で水場の裏側上部を登って行く。少し登ると右側に分岐があり、文珠東尾根を左に分け、寺谷の滝上部に出る。少し進むと、左側の崖上からは、過去に何度も崩落が起きている場所で、右側の寺谷への滑落に注意をして通過する。深い緑に包まれた登山道を進んで行くと、小さな岩場の登りがあり、すぐ先の左側には、谷に入って最初の水場がある。水が新緑で覆われた岩の斜面上部から流れ落ちている光景は、爽快感がある。沢に沿って、山紫陽花の花が咲き誇りブルーに染まった歩き易い谷道が続く。
コース唯一の滝は、大きな一枚岩で左岸を巻いて上部へ登る。せせらぎの音、鳥の鳴き声を訊きながら、大きな切り株のベンチがある広場で休憩。頑丈に作られた長い木段を登り切ると、渓が広くなり、岩がゴロゴロした水が流れる、岩の上を徒渉して行く。寺谷源流の最後の水場には、イスとテーブルが置かれていて、水分補給をして休憩。水場より谷を離れて、尾根に向かい一気に高度を稼ぐ急登が始まる。
岩や木の根の露出した樹林帯の急斜面をジグザグに登って行く。何度も急登が続き、最後に側溝に使われるコンクリートを、階段状に積んでいる段差の大きい急階段を登り詰め、金剛山遊歩道に出合う。
左に文殊岩屋を分け直進して、コンクリートの坂を下ると、雨上がりで、ガスがかかって幻想的な雰囲気の中、「天女花」の別名もある大山蓮華の清楚で真っ白い花に迎えられ、山頂売店前に着き昼食休憩。下山は、登路の金剛山遊歩道を南下し、寺谷降下点を少し進み、遊歩道の右側に、横になっている土管2本と史跡金剛山と刻まれた標石が立っている所が馬の背の降下点になる。尾根に入り、右側に寺谷、左側に細尾谷を見ながら、杉の樹林帯の中、木の根が出ている尾根を下って行く。一本道で突き当たりまで、ひたすら下るとベンチがあり、直角に左折し、木の根の露出した急坂を一気に下って行き、細尾谷に降りる。
左側の丸太5本を束にした、丸木橋を渡ると、すぐ左に細尾谷最初の水場があり休憩。橋を渡り、戻って細尾谷の谷道を下る。最後の連続した斜瀑の横は、濡れていて滑り易いので注意して下り、念仏坂に降り解散。 永野 記