例会報告
2025.04.10
初山行 千早本道
開催回
第2084回(金剛山第843回)日程
令和7年1月12日(日) 晴れのち曇り
参加者
CL 永野 (21名)
活動内容
ースタイム
千早本道登山口9:20~のろし台跡10:23~八合目分岐11:13~山頂売店前昼食休憩(11:44~12:35)~葛木神社12:50~馬の背降下点13:31~細尾谷出合14:22~念仏坂出合14:31
昨年秋に、山と溪谷社の企画で手軽に山を満喫できる低山として、全国から百座が選ばれ日本百低山が決定した。選定条件として(1)1200m以下の山(2)日帰りで行ける山(3)山容や景観・歴史等の魅力を備えた山が基準で、登山対象にふさわしい低山の魅力を満喫できる山の一つとして金剛山が選ばれている。
金剛山地の主峰であり盟主の金剛山は、2020年度に日本遺産に認定された役行者ゆかりの葛城修験の山で、最高峰葛木岳1125m ・湧出岳1112m ・大日岳1094m の三峰から成る。2025年の新年初山行は、山頂より派生する尾根に付けられた千早本道を登り、最高点の葛木岳直下に建っ関西では珍しい、大社造りで役小角の祖神である一言主を祀る葛木神社と役小角が開祖と伝わる葛城修験道の総本山転法輪寺に初詣をする。
金剛登山口バス停より、R705号(富田林・五条線)を少しバックし、高城橋手前を右折し登って行き、モンベルの前より、高城茶屋跡の休憩所で朝礼。コース説明と巳年のパッケージのキットカットを年賀としてお渡しして、フロノ谷に沿った千早本道を、山道と2800段の階段で山頂を目指し登って行く。右側の裏参道を登り詰めると、楠木七城の一つ千早城があった。1333年の千早城の戦いでは、鎌倉幕府軍を相手に急峻な地形を利用して攻め登って来る幕府軍に目掛け、岩石や大木を落とす菊水の旗戦術で戦い幕府軍を苦しめた。ジグザグに登り、634m の楠公城跡への標石が建っ尾根に登り着く。急峻な尾根に整備された階段道を登って行き、水ケ阪尾根分岐より少しの距離で五合目のろし台跡に着き休憩アイゼンを装着する。八合目の分岐は右側の新道で、霧氷の華が咲く山頂一体を見上げ、最後の登りに取り掛かる。九合目よりツツジオ谷源流に沿って進むと、雪化粧した山道は、水墨画のような世界を織り成し、落葉した灌木の枝先は天を衝く。雪面にアイゼンを利かせて、国見橋を渡り山頂広場に登り着き昼食休憩。冬の陽射しは脆く、吹く風は粉雪を纏わせ肌を切るように冷たい。美しく雪化粧した山頂一帯を取り巻く嶺々の上には、冷気を含んだ鉛色の雪雲が重くのしかかっている。
食後売店前より、ひさご池の中に、ひっそりと雪を被り佇む巳年の開運スポットの弁財天の祠に参拝する。弁財天の遣いは蛇で、1月12日は今年初の巳の日にあたる。続いて石段を登り法起菩薩を本尊とする転法輪寺で初詣の参拝をする。葛木神社に向かうと杉の巨木が林立し、真っ白に雪化粧した参道に朱塗りの燈籠が建ち並び幻想的な雰囲気が漂う。葛木神社で全員揃って初詣をする。境内右手奥より奈良市街地を俯瞰して、裏参道の丸太階段を下り、ブナ林の中の野鳥の餌場で、ヤマガラやコガラに餌やり体験をし、バードウォッチングを愉しむ。山頂付近に僅かに雪を頂いた大和葛城山を左手に見ながら参道を下り一の鳥居に着く。一の鳥居より、稜線に付けられたダイトレを少し南に進んだ右側にある葛城回峰行の基点出迎え不動は、金剛山に参詣する全ての人々を出迎える存在として、近年新しく整備された。下山は、ダイトレの一の鳥居と出迎え不動の間にある法華経一字一石塔の横より、細尾谷源流部に向かう山道を下る。山頂部のダイトレと金剛山遊歩道を繋ぐこのコースは、昭文社の山と高原地図には記載されていませんが、古来より利用されてきた山道で、南海電車の金剛山ハイキングマップに記載されており、金剛山遊歩道にもコースを記載した案内板が設置されている。雑木林の美しい冬景色を愉しみながら、背丈程ある熊笹の、ササヤブの斜面の中に続いている細い山道を下って行く。このコースは、金剛山山頂部にありながら、めったに登山者を見かける事が無いが、この日は子供会の大勢のグループとすれ違う。渋滞の山道を下り金剛山遊歩道に出会う。
悪路の細尾谷降下点を左に見送り、積雪があっても歩き易い馬の背で下山する。順調に下って行き細尾谷と出会い、谷に沿って進み念仏坂に下山する。
永野 記