例会報告
2023.05.23
ゆっくり山行第2回 ビスタリー・百合山(ゆりやま)
開催回
第2001回日程
令和5年4月4日(火) 天候:快晴
参加者
CL 土岐岡和雄 8名
活動内容
行程
百合山BS10:05―新四国八十八か所―最初ヶ峰(昼食12:00~13:00)―
桃畑―百合山BS15:05
山行記録
百合山は和歌山県の北東部(紀北)にあり、紀ノ川を隔てて和泉山脈の対岸にあります。この地区は紀の川市で温暖な気候を利用して果樹の栽培が盛んな土地で、バナナとパイナップル以外は何でも栽培しているので、フルーツ王国と言われています。
百合山周辺は果樹の中でも特に桃が特産で、桃畑が広がっている。春のこの時期は辺り一面、桃の花色になり「桃源郷」と呼ばれて、これを見に訪れる人が多い。
今回、この桃源郷と最初ヶ峰の桜の両方を欲張り花見をしましょう、とゆっくりのんびり山行を計画しました。
この百合山は山中に新四国八十八か所のお遍路があります。、江戸末期の安政4年 ごろに開設され、 その後、戦乱、戦後の時代を経て、荒廃していた八十八ヵ所を昭和59年に地元の方々により再興されたそうです。
百合山一帯が、スカイ・スポーツのテイクオフ基地、最初が峰古戦場跡、西行法師銅像などがあり、展望とともに歴史とお花見ハイクが楽しめます。
今日はコミュニティーバスを利用して百合山バス停で降り、弘法大師像の前で朝礼とコース案内をして、山頂への山道を新四国八十八か所巡りにスタート。 ゆっくりと歩きながら周辺の春の雑草(雑草という草はないが)を観察すると、クサイチゴ、キュウリグサ、コハコベ、ミドリハコベ、ヒメオドリコソウ、ヤエムグラなど、足元に咲く小さな花の生命を感じます。農道の脇にはシナレンギョウ、オオアライセイトウ、ベニバナトキワマンサク、トキワマンサクなどの園芸種が植えられ、周辺にお桃畑が広がる。
いくつかショートカットしながらお遍路を訪ねる。 参道にはソメイヨシノやヤマザクラの桜が植えられていているが、今年は温暖化の影響か例年なら満開の時期であるが、殆ど散って時折桜吹雪となって花びらが足元に舞う。 各札所には弘法大師が祀られて、「南無大師遍照金剛」の幟が立っていた。 毎年4月第一土曜日に「百合山祭り」があり、お大師様をお祭りして賑わいもあったが、コロナ以後途絶えている。
お参りしながら参道を行くとやがて展望台の東屋に着く。以前は眼下に桃畑が広がり、紀ノ川の流れも見ることが出来ていたが、今は竹が生い茂り展望が遮られていて残念です。 ここで暫し休憩をとり、竹林の尾根を登る。展望のある木の階段をゆっくり、ゆっくり登る、快晴の空にイロハモミジ、コナラ、リョウブなどの新緑が目に優しく、コバノミツバツツジ、ヤマツツジやモチツツジの花が急登の疲れを癒してくれる。 また周辺にはたくさんのワラビが出てきており、女性方が暫しワラビ取りに夢中になる。
やがて山頂直下の広場に出る。ここからは百合山と紀ノ川周辺が見渡すことが出来る。またここから山頂までは桜並木になっているが早くも葉桜となっていて残念です。4日前に訪れた時は桜が満開であったが、今年は開花も早く、落下も早まったようです。「散る桜 残る桜も 散る桜」と良寛が詠んでいますが、人も生者必滅会者定離でしょう。
桜の下をくぐり抜けると、百合山山頂に着く。ここは最初ヶ峰と言われて、南北朝時代の古戦場跡である。周辺は桜の大木があり、残りの桜が私たちを包み込んでくれる。春の美しい季節の風景を穏やかに、ゆっくりと流れる時間を楽しみながら、草地に腰を下ろし昼食を摂る。眼下に紀ノ川流域と桃畑が広がり、青空にはパラグライダーが浮かぶ。
暫し展望を楽しんで下山の準備をする。農道の両脇にはアケビ、ミツバアケビ、ヤワゲフウロ、ムベ、タチツボスミレ、ムラサキケマンなどの花が咲いて春爛漫である。 途中 竹林からはみ出でいる筍を見つけMさんがゲットする。今晩のおかず、だと喜んでいました。
山道の斜面は手入れされた桃畑がひろがり、♪あかりをつけましょぼんぼりに~ お花をあげましょ~ 桃の花~…と懐かしい童謡が聞こえそうな風景です。 桃の花は桜と同じバラ科で、ほぼ同じ時期に開花します。しかし桃は花柄が無く、葉、花、葉とが並んで枝に直接付きます。いずれも中国原産ですが、すっかり日本の春風景に溶け込んでいます。 万葉集に「向つ峰に 立てる桃の木 ならめやと 人ぞささやく 汝が心ゆめ」と、桃の木に託して恋の歌が詠まれています。そんな桃源郷の世界を見ながら、85番札所から再びお遍路を歩き、登山口の弘法大師像の前に戻って終礼し、解散しました。
春爛漫のお花畑の風景が広がる、卯月(4月の古名)の一日を、皆さん今日は楽しんでいただけたでしょうか。
これからものんびり、ゆったりした山行を楽しみませんか
♪萬里百花春(春が来て見渡す限り花が咲きみだれる)
♪春風生福寿(春風は人に福をもたらす)
Middle age's be ambitious!
古稀過ぎて 昔日の宴 桃の花 (by山の子)
(記)土岐岡和雄