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例会報告

2022.11.13

例会報告

 ビスタリー・町石道から紅葉の高野山へ

開催回

第1981回

日程

 令和4年11月7日(月) 晴れのち曇り 

参加者

CL  土岐岡  10名

活動内容

行程
九度山駅=(タクシー)=10:35矢立―(町石道)―四里石(昼食11:45~12:35)―14:00大門―壇上伽藍―金堂―根本大塔―蛇腹道―15:00金剛峯寺前BS=高野山駅

山行記録
高野山は弘法大師空海により開創されて以降1200年間、今も多くの人々の信仰を集め、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産へも登録されました。この高野山へ通ずる7本の街道を「高野七口街道」と言い、今回そのうちの一つ「高野山町石道」の参詣道を例会山行で歩きました。

今日は「のんびり、ゆっくり山行」である。そして月曜日の平日山行です。日頃、急登を機関車の如く登ったり、花や展望をスルーして競うように歩いたり、といった「しんどい」山行でなく、歌を唄ったり、クイズを解いたり、写真を撮ったり、自然観察もしながら楽しく歩きましょう、というコンセプトが今日の山行です。
因みにビスタリーとはネパール語でゆっくりとかのんびりと言う意味です。矢立から高野山大門まで登りであるが、コースタイム約2時間を4~5時間かけて超スローペースで歩きました。

町石道は九度山町の慈尊院から高野山に上がる参詣道のメインルート。名前の由来は1町(109m)ごとに町石がたてられていることによる。町石は高野山の根本大塔を起点として慈尊院まで180基が建てられている。この町石道を一部ショートカットして矢立から歩くことにした。集合の九度山駅から矢立までタクシーを
利用し、矢立茶屋横で朝礼、今日のコース説明などして町石道を高野山へ向けて出発する。

スギ、ヒノキ、モミなどの針葉樹の緩やかな登り坂を、森林の精気と言われるフィトンチッドを胸一杯に吸って一歩一歩踏みしめながら歩く。疲れたら休もう。頑張らなくていいんです。のんびり、ゆっくり楽しくが一番です。
そんな道にはトチノキやコナラ、ケヤキなどの広葉樹の森も広がっていて、混合林の山風景に癒されながら、一町ごとに建てられた町石(石碑)に刻まれた梵字や数字などを判読しながらゆっくり歩く。

40番の町石を過ぎると四里石に東屋がある。ここで陽だまりに座ったり、椅子に腰かけたりして昼食をとる、ここは西側に開けていて葛城山脈が遠望出来る。
秋のハイキングシーズンであるが平日であるから、剛友会貸し切り状態の休憩所になった。食後、事前に準備した剛友会会歌、山の子の歌、里の秋、どんぐりころころ…などの歌詞をプリントした用紙を渡し、全員で合唱する。山中の空の下で大きな声を出すことなどめったにない。皆さんご存知の曲なのでより歌声が綺麗に響いていました。この次はみんなでワルツや河内音頭など踊りたいですね。

ゆっくり休憩し、東屋を後にして暫くは平坦であるが、大門へは少し急な坂道です。足元には花は終わっているが、メタカラコウ、フタリシズカ、ミカエリソウ、ヨウシュヤマゴボウなど、低山や山麓の植物がみられる。そしてフロウソウなど倒木に苔むした緑に癒されながら最後の登りを進む。やがて車道と合流したら大門に着く。見上げるばかりの高さ25mの朱色の門で、平安時代に創建されたといわれ、幾度か再建されて現在は重要文化財に指定されている。

大門をくぐれば高野山の境内に入る。暫く街並みをを歩くと愛宕前に黄葉した銀杏(イチョウ)の大木があり、その木元には黄金の絨毯のように銀杏の落ち葉が敷き詰められていた。「君死にたまふことなかれ」「やわ肌のあつき血汐にふれも見で…」など明治を代表する情熱の歌人、与謝野晶子も黄葉の銀杏を見て、こんな抒情歌を残しています「金色の 小さき鳥の形して 銀杏散るなり 夕日の丘に」。

少し街並みを行き、金堂から壇上伽藍の境内に入り、参拝したのち東屋で休憩時に、秋や高野山に関するクイズをして、「秋の七草とは?」「紅葉を英語で何と言う?」「高野という名前の植物は高野槙(コウヤマキ)が有名ですが、他に高野と言う名前が付く植物は?」など6問のクイズで楽しみました。
根本大堂を経て金剛峯寺に通じる蛇腹道を歩く。道の両側はイロハカエデが色づき、赤、黄、緑のグラデーションが晩秋の空に映え、まさに紅葉回廊である。写真に収める人、ゆっくり眺める人など、しばし心を休めるひと時です。この紅葉を兼題に一句作りましょう、と栞を渡し皆さんに作句していただきました(下記)。蛇腹道を抜けると金剛峯寺に出て、門前がバス停である。ここで今日の山行の終礼をして解散しました。

今日は町石道の自然林と高野山の手入れされた植栽の森林などを見ました。
寺院の庭や境内の綺麗な紅葉の木々も捨てがたいのですが、ゆっくり歩くことによって雑木林を見上げたり、足元の雑草(雑草という草はないが)にも目を向け、自然に親しみ、自然に学ぶ、その楽しさ、素晴らしさを感じていただけたのではないでしょうか。

今回は皆で歌を唄ったり、クイズをしたり、作句したり、山行以外に遊び心を取り入れました
これからものんびり、ゆったりした山行を楽しみませんか
♪歩くことは生きること、生きることは楽しむこと
♪山は健脚の人だけにあるのではない
Smile brings happiness.

谷を行く もみじのひかり 仰ぎ見て  (by ウメちゃん)
高野山 もみじとコラボ 秋深し  (byリョウちゃん)
秋深し いつか来た道 ハラハラと  (byヨーコちゃん)
かの女(ひと)の 紅(べに)ほお染めし 恋紅葉(こいもみじ)   (by山の子)
                   (記)土岐岡

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