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例会報告

2021.08.29

例会報告

◇個人山行◇ 蝶ヶ岳~常念岳

日程

令和3年7月28日(水)~31日(土)

参加者

CL永野猛士

参加者 5名

活動内容

北アルプスで、日本のマッターホルンと呼ばれ鋭い穂先が天を突く槍ケ岳3180M(2017年7月例会)近代アルピニズム発祥の地で今も多くの登山者を魅了する穂高連峰(奥穂高岳3190M2016年7月例会)の東側に並列し南北に延びる山域が常念山脈で長野県に属し中部山岳国立公園内に位置する。
ゆったりとした山容が人気の蝶ケ岳2677M(花の百名山)と常念山脈の主峰で日本百名山の一つに選ばれピラミッド形で綺麗な山容の常念岳2857M(2018年7月例会)の二つの山を繋ぐ展望稜線の常念山脈縦走は、槍・穂高連峰の大パノラマを堪能しながら、蝶ケ岳稜線の広々として歩き易い緑のハイマツに彩られた稜線縦走が楽しめ、頂稜や谷筋に雪渓が残った
鋸歯状の鋭い天を突く岩峰群、高山植物が咲き乱れるお花畑の観賞など北アルプスで夏山の醍醐味を満喫する。
7月28日(水)晴れ
TOKYO2020オリンピックで水素の聖火が国立競技場に灯り、開幕して17日間の熱い戦いが始まり6日目を向かえた大阪梅田の真夏の夜空には、林立する超高層ビル群のシルエットが黒々と浮かび上がり、ビル先端の赤色航空障害灯が瞬き、上空を夜間飛行のジェット機が翼先端の高輝度の緑と赤のナビゲーションライトを点滅させ音もなく通過して行く。
21:30阪急三番街を発車したアルピコ交通のゆったりとした独立3列シートのさわやか信州号上高地行きは、新大阪と京都八条口で登山客を乗せ23:30大津SAで休憩をしたあと消灯になり名神高速道路・東海北陸自動車道・中部縦貫自動車道と繋ぎ実車走行距離367kmを走り上高地に向かう。
7月29日(木)晴れ朝18℃
コースタイム
上高地バスターミナル6:00~明神6:54~徳沢7:58~2000mの平9:42~昼食(11:30~11:45)~長塀山12:30~妖精ノ池13:07~蝶ケ岳山頂13:42~蝶ケ岳ヒュッテ13:58
早朝バスは、日本屈指のリゾート地上高地の入り口「釜トンネル・上高地トンネル」より、中部山岳国立公園内のオオシラビソや栂などの針葉樹林帯の中に延びる上高地公園線を走る。焼岳登山口がある中の湯バス停を通過し車窓左手の焼岳を写した鏡のような湖面の大正池は、エメラルドグリーンの水面に立ち枯れの木が朝靄に煙幻想的な景観を醸し出している。白樺林に囲まれた上高地帝国ホテルは真っ赤なとんがり屋根を載せたログハウス調の建物が頂稜に残雪を纏わせた穂高連峰を背に佇む姿は、ヨーロッパアルプスの風景を彷彿させる。やがてバスは、上高地バスターミナルに到着する。
洗面朝食を済ませ登山届を提出し出発。五千尺ホテル前の河童橋を背景に記念撮影をし梓川左岸道を歩き小梨平キャンプ場を抜けて明神で休憩。出発してすぐの徳本峠入り口の白沢は真っ白な砂地の中に立ち枯れた木々が散乱している。熊生息地の看板を見て熊よけの鈴を付け徳沢に向かう。徳沢で休憩し美味しいと評判の水を補給し氷壁の宿徳澤園の右手蝶ケ岳登山口より入山する。コメツガなどの針葉樹林帯の中に付けられたクマザサが生い茂る山道をジグザグに登って行く。次々と現れる高い段差は木製ハシゴで登る。傾斜が緩み広くなった2000mの平で休憩。
蝶ケ岳から延びる長塀尾根に付けられた樹林帯の中の展望がきかない登山道の急登が続く。徳沢より標高差1000mほど登り稜線上のピーク長塀山2564.9mに着く。中央に三等三角点が設置され広くなった山頂で休憩。低鞍部まで下り、登り返すとサンショウウオが生息する妖精の池が現れ、周りはアルペンムード溢れるハクサンフウロウなどの高山植物が咲くお花畑が広がる。お花畑の観賞後山道はアップダウンし森林限界を超え岩屑の急登を続けると視界が広がり蝶ケ岳の稜線に登り着く。蝶ケ岳最高峰長塀の頭2677mで梓川を挟んで対峙する槍・穂高連峰や360°の絶景を眺望し大滝山から蝶ケ岳へ続く稜線と徳沢より延びる長塀尾根が合流する地点に建つ蝶ケ岳ヒュッテに向かう。
ヒュッテの女性の部屋2階北西の角部屋「シラビソ」は北と西に窓があり、ヒュッテ一番の眺望を誇る部屋で窓からは、左手御嶽山より槍ケ岳まで3000m級の山々10座を一度に見渡せる。到着時はガスっていた峰峰も夕刻になり霧のベールが薄れていき槍・穂高連峰の稜線が徐々に浮かび上がって全貌が姿を現す。大迫力の魂をゆさぶる感動は、ことばを超える。
17:00食堂のアクリル板で仕切られたテーブルで夕食を済ませ部屋で眺望を楽しむ。18:55真夏の濃いオレンジ色をした落日間際の夕陽が北穂高岳3106Mと南岳3033Mの間のお椀のようにえぐられた大キレットの真ん中に、光芒を放ちながらゆっくりと沈んでいく大自然のスペクトルに思わず息を飲む。
20:00消灯就寝
7月30日(金)晴れ早朝9.1℃
コースタイム
蝶ケ岳ヒュッテ6:40~瞑想の丘6:44~横尾分岐7:28~蝶ケ岳三角点7:44~蝶槍7:57~2592mピーク9:41~昼食(10:25~10:35)~2512mピーク10:50~常念岳山頂13:17~三股分岐13:48~常念小屋15:11
日の出の予定時刻4:35よりヒュッテの前瞑想の丘でご来光を待つ。眼下には安曇野の田園風景が広がりガスはなくハツキリ見えるが浅間山の遥か向こうの地平線に沿って雲がかかり太陽が見えない。5:04になり東の志賀高原・菅平・浅間山・美ヶ原方向に垂れ込めた雲海がバラ色に染まり初め太陽が昇る。ヒュッテに戻り朝食を食べ出発の準備をする。若いオーナーの中村梢さんは、今日ヒュッテに登って来るそうで、挨拶はできなかったがスタッフに礼を言いヒュッテを後にする。
瞑想の丘より、二重山陵の広い稜線を左手に槍・穂高連峰を望みながら梓川沿いの稜線を歩き、ハイマツと砂礫の登山道脇に咲いているミヤマキンポウゲ・ミヤマキンバイ・イワツメグサなどを見ながら横尾分岐2625Mに向かう。分岐の先の砂礫でライチョウの親子に遭遇する。親鳥は50cm位の岩の上に止まり下には2羽の雛がいた。広い二重山陵の安曇野側に設置された蝶ケ岳三等三角点2664.3M点名蝶ケ岳を見て梓川沿いの稜線に戻り眼下1000mに梓川の流れを見て前方の巨岩が積み重なった蝶槍に向かう。
三角錐の山容(常念側から見れば顕著)が美しい蝶槍の大きな岩の積み重なった狭い山頂2665Mより、槍・穂高連峰の絶景展望と空と稜線の間から湧き起こる夏の雲を見て、急坂を慎重に下って行くと鉄のハシゴが現れ、森林限界より樹林帯になりコメツガ林に入る。2462Mの開けた鞍部にでて休憩。少し登って樹林帯より湿地帯を抜けると2592Mのピークは雲上の楽園で可憐なニッコウキスゲ・ハクサンフウロウ・オタカラコウ・イブキトラノオなどのお花畑が広がる。森林限界より上部の高山帯に生息する憧れの高山蝶「タカネヒカゲ」(アゲハ蝶位の大きさ)がお花畑を美しく優雅に舞う。小ピークを左に巻き、コメツガ林を抜けると2512Mのピークに登り着く。ピークからは目指す常念岳が大きく聳え立つ。下りきって最低鞍部から一気に森林限界を越える。標高差400mの不安定な岩塊の折り重なった急な岩場は、コースを外れると極端に危険になるので、ペンキマークを全員で確認しながら主稜線に向かってよじ登って行く。
気温は16℃厳しい登りで汗がほとばしる。稜線に出ると、前方に祠と方位盤が現れ僅かな時間で山頂に着く。大きなピラミッド形の山容の常念岳2857M先端は、祠と方位盤の周りに五人が取り囲むと満員で槍ケ岳の先端よりかなり狭い。祠の前は100m位の切り立った断崖絶壁で慎重に撮影し雪渓を抱え屹立する鋸歯状の岩峰が迫る槍・穂高連峰を見て標高差400mの岩場を下山する。頂稜部より巨大な岩塊が積み重なった急斜面を浮き石に注意し慎重に下り三股分岐より岩畳の上の石車に注意してジグザグを繰り返し眼下に見える常念乗越2466Mに建つ赤い屋根の常念小屋を目指し岩屑のガレ場を下り「常念越えルート」を踏破し小屋に着く。検温をクリアし、部屋で夕食まで談笑をする。常念小屋オリジナルのTHE・NORTH・FACEのTシャツを買い17:50より食堂で夕食が始まり少したった18:00ごろから突然降りだした滝のような大雨は、数時間断続的に降り続き漆黒の夜空を閃光が切り裂いた。
20:00消灯就寝
7月31日(土)晴れ
コースタイム
常念小屋6:30~第2ベンチ6:51~第1ベンチ7:08~最終水場7:22~胸突八丁7:47~笠原沢出合8:37~烏帽子沢出合9:15~大滝ベンチ9:52~山ノ神10:42~一の沢登山口11:00
常念小屋から少し登り横通岳と常念岳の鞍部で岩塊と砂礫の広々とした稜線常念乗越で御来光を待つ。安曇野はモコモコとした果てしなく広がる雲海の下。4:50埼玉県の水晶山2158Mの方向で地平線がオレンジ色に染まりやがて雲海の向こうに太陽が昇る。下弦の月は真っ青に染まった天空の中央でまだ輝いている。夜の白むとともに、遠く離れた北穂高小屋や槍ケ岳小屋の赤い屋根が現れた。小屋に戻り5:40より朝食。小屋を離れると電波が届かないので小屋でタクシーの予約を入れ、支配人に挨拶し、一の沢登山口に向け下山を始める。常念乗越より距離5.9km標高差1300mを下る。

すぐに森林限界より樹林帯に入りコメツガの林を1kmほどジグザグに下って行き第2ベンチと第1ベンチで休憩。次々に現れる木製階段を慎重に下り、最終水場より丸木橋 を渡り胸突八丁の階段状の丸太で整備された桟道の高巻道を通過すると水場が現れ休憩し沢沿いの道を下る。笠原沢を丸木橋で渡り支流の烏帽子沢を過ぎ大滝ベンチの冷水で喉を潤し休憩。山の神の前を通り一の沢登山口に着く。3日間の登り累計2000m・下り累計2200m
予約したタクシーの乗務員さんの話しによると、昨夜は大雨洪水警報が発令され燕岳登山口の中房温泉への中房川に沿った道路が濁流で冠水し今朝の5時まで通行止めになっていた。穂高温泉郷に向かい安曇野しゃくなげの湯で山行の汗を流し、JR穂高駅前ロータリー東側のそば処一休庵(食べログ星4つ)で冷たいそばの「なごり雪」(コシの強い蕎麦とサクッと美味しい天ぷら)を全員で食べ、穂高神社前の安曇野
穂高バス停より、さわやか信州号大阪行きに乗り帰阪する。

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