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道迷いをなくそう

登山するときは地図を持っていこう 

                                       
 「令和2年における山岳遭難の概要」(警察庁生活安全局)によると、令和2年の山岳遭難発生件数 2294件、遭難者2697人、死者278人。遭難者の内訳は、1位 道迷い1186人で44%、2位 滑落423人15.7%、3位 転倒371人13.8%。また、年齢別でみると1位 70~79歳が636人23.6%、2位60~69歳511人18.9%。死者・行方不明者では、40歳以上が254人と全体の91.4%を占め、60歳以上が203人と全体の73.0%を占めている。
遭難防止対策として、次のようなことが書かれている。
1. 的確な登山計画と万全な装備の準備
2. 登山計画書、登山届の提出
3. 道迷い防止・・地図やコンパスを携行して常に自分の位置を確認する
4. 滑落・転倒防止
5. 的確な状況判断
6. 新型コロナウィルス感染防止

 皆さんは、思い当たることがありませんか。遭難者は、我々の年齢に近いですね。登山をするときは、登山計画書を提出し地図やコンパスを持って山に入っていますか。リーダーについていくだけだから地図はいらないと思っていませんか。山は、自分の目で、足で、耳で現在地を確認しながら歩くことが大事です。とは言ってもなかなか、現在地の確認は難しいものです。でも努力はできます。まずは、地図を手に入れましょう。地図を手に取って、尾根と谷、等高線より地形や標高など読めればまた違った意味での楽しみが増えます。地図には、大きく分けて昭文社等の登山地図と、国土地理院の地形図があります。どちらも大事ですが、特に国土地理院の1/25000の地形図は、昔から重宝されてきました。街の大型書店でも買えますが、今では、ネットで手に入ります。また、パソコンでフリーソフトをダウンロードしても手に入ります。地形図とコンパスとGPSを持って山に行き、地形を確認しながら歩き道迷いをなくしましょう。
今回、「カシミール3D」を利用した地図の印刷方法を書いてみました。少しややこしいかもしれませんが、挑戦してみてください。

「カシミール3D」は非常によくできたフリーソフトですので是非活用してみてください。いろいろな機能が備わっていますので試してください。解説本も書店で販売されています。
スマホのGPS を使い緯度、経度、標高を読み取り地図に落とし込めば現在地がわかります。磁北線に合わせてコンパスを当てれば目的の方角が分かります。GPSの画面では小さくてわかりにくいことがあるため、ぜひ地図を携帯し道迷いをなくしましょう。慣れてくると、地図にルートやトラック、地名等を作って印刷することもできます。GPS で歩いた行程のログ(トラックログ)を取り、データをPCへ転送して記録することもできます。また、スマホにトラックルートを設定しておくと、ルートを外れた場合警報が鳴るように設定することも可能です。
 現在、地図データをあらかじめスマートフォンにダウンロードして保存しておく、キャシュ型アプリを公開している代表的なものは、ヤマレコ、YAMAP、Geographica、スーパー地形、コンパスEX等があります。購入料金、機能、使いやすさ等検討して自分に合ったソフトを使用して山での安全を確保しましょう。
各社の特徴や操作方法の比較はなかなか難しいですが、各ソフトの機能をわかりやすく解説した本が出ていますので、参考にしてください。

木元康晴 著 ヤマケイ新書 
 「IT時代の山岳遭難 安全登山のための最新テクノロジー」

資料
「令和2年における山岳遭難の概要」(警察庁生活安全局生活安全企画課)
(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/R02sangakusounan_gaikyou.pdf)

「カシミール3D」印刷方法

カシミール3Dで制作した地形図(箕作山・太郎坊)

2021.9.1 國司

 

 

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